近年ライフスタイルや宗教観の変化にともない、従来の火葬や土葬のほかに、海洋葬や樹木葬の自然葬が注目されています。
海洋葬とは、故人の遺骨を海に撒く葬送方法です。自然に還れたり、墓じまいができたりすることから、プラスに捉える方が増えてきている一方で、反対意見もあります。そのため自分自身が海洋葬を希望していても、家族や親戚が反対する可能性もゼロではありません。
今回は海洋葬の専門会社である「三河湾海洋散骨」が、海洋葬を希望している方に向けて、準備事項や遺言書の書き方を紹介します。海洋葬に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも遺言書の効力とは?
「遺言を残す」ことは簡単であっても、言葉どおりにしっかりと希望を叶えてもらうのは簡単なことではありません。遺言書を作成する際には、法律上のルールを守らなければならないからです。
例えば、自筆証書遺言書の場合は、本人がすべての内容を自筆で書くことや、署名と捺印が必要です。これらのルールを守らないと、書いたものがすべて無効になる可能性があります。
またドラマの影響で、家族に口頭で希望を伝えようと考えている方もいるでしょう。基本的に、口頭の内容は有効ではないため注意が必要です。葬送方法を口頭で指定した場合には、遺族の意思で決定されます。
ただし、やむを得ない事情により書面で作成できない場合は、複数の代用者に立ち会ってもらうことで口頭で残すことが可能です。
いずれにしても遺言書を作成したり、葬送方法の希望を伝えたりしたい場合には、終活アドバイザーなどの専門家に相談することをおすすめします。
なお、家族全員が経済的な理由などから海洋葬を容認できない場合には、その内容が実行されない場合もあるため注意しましょう。
散骨の希望を叶えるための準備【遺言書以外に大切なこと】
海洋葬を希望する場合には、自分の気持ち面だけではなく、法律の考慮や周りの人の説得などさまざまな準備が必要です。ここでは、海洋葬の希望を叶えるための準備事項を紹介します。
家族と話し合う
葬送方法を決める際には、家族としっかり話し合うことが重要です。日本人の多くは無宗教といわれていますが、なかには信仰深い方もいるため、生前に自分の希望を意思表示しておきましょう。
海洋葬は従来の葬送方法とは異なり、読経がなかったりお墓を建てなかったりします。そのため先祖代々のお墓がある場合には、家族から反対を受ける可能性が高いです。
家族に理解してもらったうえで心置きなく進めるためにも、反対を受けた場合には根気強く説得すると良いでしょう。特に「なぜ海洋葬を選ぶのか」希望する理由について、しっかり伝えると納得してもらいやすいですよ。
海洋葬と他の葬送方法を比較する
海洋散骨以外にも、火葬後に遺骨を納骨堂に安置したり、自宅に仏壇を設けたりするなど、さまざまな葬送方法があります。それぞれの方法の特徴や費用などを比較し、自分だけではなく家族にとっても最適な方法を選びましょう。
海洋散骨会社を探す
海洋葬を行うには、海洋散骨を専門とする会社に依頼する必要があります。海洋葬専門の会社のなかには、ファイナンシャルプランナーや終活アドバイザーなどが在籍し、遺言書のアドバイスをもらえる場合があります。
会社によってサービス内容が異なるため、複数の会社に問い合わせ、費用やサービス内容、スタッフの対応などをよく検討してから選ぶことが大切です。
散骨のプランを選ぶ
海洋散骨会社によっては、下記のようにさまざまな散骨プランを用意しています。
・チャーター船貸切プラン
・完全委託プラン
チャーター船貸切プランでは、自分だけではなく家族や友人などの希望のセレモニーを実施できます。例えば前日から見送る会を開いたり、セレモニー中に動画撮影をしたり、他の葬送方法では難しい内容も実施可能です。
一方の完全委託プランは、業者のスタッフに散骨を任せられるプランです。家族が遠方でセレモニーを実施するのが難しい場合など、見送れる家族がいないケースでも散骨を叶えられます。
業者によっては、これらのプラン以外にも提供している場合があるため、散骨方法やオプションサービスなどを考慮して最適なプランを選びましょう。
散骨を希望する遺言書に書くべき内容
海洋葬を希望する場合の遺言書には、下記の内容を記載しましょう。
- 散骨希望
・散骨を希望すること
・撒く方法やセレモニーの内容(プランの希望)
・希望する場所(どこの海が良いか)
- 遺骨の取り扱い
・遺骨を粉骨するかどうか
・遺骨の一部を分骨して自宅に保管するかどうか
- 費用
・支払い方法
・費用の負担者
海洋葬を希望する旨に加えて、費用の負担者や希望の海を指定しておくとスムーズに手続きまで済ませられます。
またお墓がある場合や家族が手元供養を望む場合には、分骨を許可するかどうかも記載しておくと良いでしょう。分骨とは、遺骨を分けて供養することです。海洋葬は海へ遺骨を撒くため、遺族の元にカタチとして残すことができません。そのため故人を感じられるように、分骨をして手元供養する遺族も少なくありません。
なお海洋散骨の業者によっては、終活アドバイザーと相談しながら作成できる場合もあります。作り方を教えてもらいた場合には、プロへ相談できる機会を活用すると良いでしょう。
遺言書の例文
ここでは、先述した書くべき内容を踏まえて、海洋葬を希望する場合の例文を紹介します。下記がその一例です。
第○条 遺骨の取り扱い
遺言者は、死亡後、遺骨を海洋散骨することを希望する。散骨場所は、故郷の海(名前)とする。必要な費用は、遺言者の長男(名前)が負担するものとする。遺言執行者は、長男(名前)を指定する。
必要に応じて、内容を追加してくださいね。
まとめ
遺言は、口頭ではなく法律に沿って書面上で残す必要があります。ただし葬送方法に関しては法的強制力はないため、反対される可能性がある場合には家族や親戚と生前に話し合っておくと安心です。
また家族の説得のほかに、遺言書の準備も重要です。散骨を希望する海や、セレモニーを依頼する海洋葬の業者を探しましょう。
なお、西浦マリーナの海洋葬なら「三河湾海洋散骨」にお任せください。弊社にはファイナンシャルプランナーや相続診断士、終活アドバイザーが在籍していますので、終活支援や相続対策などのご相談も対応可能です。
「海洋葬にしようか迷っている」「書き方を詳しく聞きたい」などのご相談は、お気軽にお問い合わせください。